円形脱毛症の鍼灸治療
円形脱毛症の種類
円形脱毛症は「単発型」から、「多発型」「蛇行型」「全頭型」「汎発型」にわけられます。
単発型
突然、頭髪に円形または楕円形の脱毛斑が出来る、円形脱毛症の中では最も多くみられるタイプです。脱毛斑は頭髪だけではなく、眉毛や体毛などにも発生する場合があります。
発症年齢は子どもから老人まで幅広く男女ほぼ同率でみられます。
約80%の方が1年以内に治癒すると言われていますが、まれに次の段階である「多発型」に移行する場合があります。
多発型
円形脱毛斑が2つ以上発生するタイプです。
適切な治療を行っても、完治まで半年から 2年くらいかかる場合が多いと言われています。さらに脱毛斑が結合し拡大する場合(多発融合型)もあります。
蛇行型
脱毛斑の結合が細長く、後頭部から側頭部の生え際にそって蛇のように広がるタイプです。治療期間が複数年に渡る場合があります。
全頭型
脱毛斑が頭部全体に広がり、最終的に頭髪が完全に抜け落ちてしまうタイプです。非常に治りにくい例が多く、治療が長期に渡る場合が多いとされています。そのため治療と共に、ウィッグ(かつら)などを使って、円形脱毛症と上手につきあう工夫が必要となってきます。
汎発(ばんぱつ)型
さらに症状が進行し、頭髪はもとより、眉毛、まつ毛、体毛など全身全ての毛が抜け落ちてしまうタイプです。
円形脱毛症の中では最も重度なタイプと言われています。 全頭型と同じく、治療が長期に渡る場合が多いため、こちらも同様に、治療の継続とともにウィッグ(かつら)などを活用して、円形脱毛症と上手につきあう工夫が必要となってきます。
監修:横浜労災病院 皮膚科部長 医学博士 齊藤典充先生
野村皮膚科医院 院長 医学博士 野村有子先生
鍼灸の適応症となる円形脱毛症
鍼灸の適応になるのは「単発型」と「多発型」です。
円形脱毛症の鍼灸治療
脱毛症は脱毛を起こす局所に特異的に作用する要因(局所要因)と全体的な生理機能の失調によって毛髪の育成を阻害する要因(環境要因)が併合して発症する事が多いと考えられています。
すなわち休止期毛性脱毛症では生得的に定まった特定部位のテストステロン過敏性等が局所要因であり、頭皮及び全身的血行不良やその原因となる筋肉・末梢神経・中枢神経の過緊張を環境要因とし、頭皮の毛根の脆弱化・毛髪の発育遅延・毛周期の短縮等を惹起すると考えられています。
また成長期毛性脱毛症では頭皮における自己免疫疾患・自律神経系の防御反応の過敏・過剰状態を環境要因とし、不特定の内的・外的ストレス刺激をきっかけに環境要因が悪化した結果、頭部,全身の毛の生成を阻害すると考えられています。
「閻三鍼」の頭皮の毛根部の血行安定作用については明治国際医療大学で行った刺鍼前後の頭皮サーモグラフィーの比較実験で検証されています。(WFAS第一回学術大会口演発表,森和ほか:「円形脱毛に対する閻三鍼の基礎的,臨床的研究」)
また全身的鍼灸治療が自律神経系の失調や血行促進,筋の緊張緩和等、脱毛症の環境要因と考えられる症状に対し有効である事は衆知の事実であります。
また「閻三鍼」と脱毛症に随伴する身体症状の緩和を目的とした全身的鍼灸治療を併用する事で環境要因の減少と安定を図り、治療による良好な頭皮状態を保持する事が可能であると考えられます。
閻(えん)三鍼
脱毛のツボとして中国・北京の脱毛治療専門鍼灸医師:閻(えん)氏が開発した「閻(えん)三鍼」の3つの毛生えの特効ツボがあり、当院でもこれらのツボに鍼治療をしています。
髪を生やす三つのツボ
①生髪=しょうはつ(ツボの名前です)
◆位置 : 風府(ふうふ=後ろ髪の生え際、中央の親指の幅(1寸)だけ上の所)と風池(ふうち=後ろ髪の生え際の下で、首の大きな筋(僧帽筋)の両外側)をつなぐ線の中心
②防老(ぼうろう)
◆位置 : 百会のツボ(頭の中央、両耳先を結んだ線上)の後ろ1寸の所
※針尖を斜め前方に向けて鍼柄が患者の頭皮と平行に成るように皮膚に沿わせる。得気(グーンと広がる鈍い痛み)を確認する事。
③健脳(けんのう)
◆位置 : 風池(ふうち=後ろ髪の生え際の下で、首の大きな筋(僧帽筋)の両外側)の下5分
※鍼尖を下に向けて0.2寸(約3ミリ)刺入する。このツボは頭皮の中にあるので、ちょうどぴったしの所に刺入しなければ効果が薄い。
治療(散鍼+置鍼)
◆頭部の脱毛箇所に 散鍼
◆頸部ツボに てい鍼
◆頭部ツボに 置鍼
*当院の鍼は髪の毛より細く柔らかい鍼です。
また、滅菌加工、使い捨ての鍼となっておりますので安心して受診できます。
料金
2,200円(税込)
週1〜2回以上、目安として約20回通院してください。
(注)個人差があります。
※お得な回数券も用意しております。要予約