腱板炎
腱板は上腕骨の小結節につく肩甲下筋、上腕骨の大結節につく棘上筋・棘下筋・小円筋の腱が、付着部付近においてはその境界が鮮明ではなく1枚の板のように見えることからつけられた名称であり、4つの腱からなっている。
これらの筋は、肩の運動時に上腕骨頭の引きつけ、引き下げ、肩の内旋・外旋・外転など多くの動作を行っているので、この腱で構成されている腱板は常に大きな負荷を受けており、退行性変性を起こしやすい。
また、ここは栄養を供給する動脈および組織液が少ないので、加齢による退行性変性が起こりやすい。また、外傷を受けやすい場所である為に外傷性の炎症もおこりやすい。
こんな症状ありませんか?
・腕を横から上に挙げると60度~120度で肩に痛みがでる(ペインフルアークsign)
・腕を上に挙げると、上腕や肘の方に痛みが出る
・頭の後ろの方に手を回すと肩に痛みが出るが、拘縮はない。(結髪動作)
・腰に手を回すと肩に痛みが出るが、拘縮はない。(結滞動作)
・夜中に肩が痛くなって目が覚める(夜間痛)
・ヒアルロン酸注射を打っているが、痛みがひかない
・野球でボールを投たり、バレーやテニスでサーブを打つと肩が痛む
診察法・検査法
ペインフルアークサイン
手首を持って他動的に外転していくときに、約60度~120度の間で痛みを訴える。
ドロップアームテスト
腕を持って90度以上に外転させて放し、患者にゆっくり腕を下げさせたときに、肩の痛みのため、ゆっくり下げることが出来ずに腕が落下したり、あるいは外転位にこらえている腕を上から軽く叩くか押しただけで耐えきれなくなって腕を下げてしまう。
治療(高周波+電気鍼+矯正+手技マッサージ+テーピング)
当院の治療は高周波で患部の血流を改善し、電気鍼と手技マッサージで消炎鎮痛を促します。また、肩甲骨はがしで巻き肩を矯正します。痛みが強ければテーピングを施します。
肩甲骨はがし(MIインパクト)
肩関節が内側に巻き肩になっていることが多いので、巻き肩の矯正を行い、肩関節のポジションの調整・肩の関節と肩甲骨や鎖骨などの連動運動を正常にする事をしないといけません。
予後
程度が軽い場合は、数回の治療で改善する場合もありますが、3週間以上かかる場合もあります。腱板炎の場合、損傷をしてしまう肩関節の動きを治さないと、いつまで経っても治らない場合もあります。 しっかり治療をして治していくことをオススメします。