外反母趾
足の指のつけ根にある深横中足靭帯が伸びたり、緩んでしまった上に靴など履物によって締め付けられることで結果、足の親指が小指側に曲り変形した状態。足に合わない靴を履いている場合になりやすく、女性に多く見られる。特にかかとの高い靴を長時間履いている場合になりやすいと言われている。幅の広すぎる靴を履くことにより足が前に滑り、捨て寸の部分につま先が入り込んで圧迫され、発症するケースもある。症状の進行によって痛みを覚え、歩行や起立のたびに痛みを感じるようになる場合がある。子供や男性にも発生する。同じ要因によって外反母趾とは逆に足の小指が親指の方向に曲がってしまう症状は内反小趾(ないはんしょうし)と呼ばれる。
原因
女性に外反母趾が多いのは、女性がハイヒールや先細の靴を履く傾向が大きいことも原因であるが、裸足で生活する民族の調査でも男性よりも女性に外反母趾が多く見られるため女性ホルモンの関与も指摘されている。
遺伝と外反母趾との関係は香港で調査が行われていて、遺伝はハイヒールよりもはるかに大きい外反母趾の原因であることが指摘されている。
ハイヒールが外反母趾の原因となるのは、(1)足が前滑りして、足先が靴先に押し込まれる。(2)ヒールが高くなるにつれて、足先にかかる体重の割合が増える。(3)第1趾の中足趾節関節の背屈の角度と、足関節の底屈の角度が大きくなるため、中足趾節関節(MP関節)の両側の靭帯が弛んで不安定になり、かつ足の横アーチに関与する筋肉が弛むため開張足になる、という3つの理由にある。
足病学では距骨下関節の過剰な回内(過回内、オーバープロネーション)が外反母趾の原因であるとされている。
歩き方
最近はヒールやパンプスなどの足を圧迫する靴を履いている大人だけでなく、小中学生の子供にも外反母趾が激増しています。この最大の原因は、足の筋肉の未発達です。靴で足を覆い、足指を使って踏ん張らず、指のつけ根で歩いてしまうので足底筋群が発達せず、親指が曲がってしまうのです。インドネシアの奥地に住む裸足で生活する人たちは足の指1本ずつが独立して力強く体を支えており、外反母趾がほとんど見当たらないそうです。
靴
ゆるい靴やヒール、パンプスなど、「脱げやすい靴」は外反母趾の原因になります。脱げやすい靴を履いているときは、脱げないように無意識のうちに足指を上げたり、指を縮めて歩いてしまいがちだからです。指の浮いた状態だと当然指の力が地面に伝わらず、その分親指のつけ根への衝撃が大きくなり、親指のつけ根の骨が出っ張る外反母趾になってしまうのです。また、先の細いヒールやパンプスなどの靴はさらに足を痛めつけます。先の細い靴は左右から親指と小指を圧迫し、足指の踏ん張る力を制限してしまうので、ますます筋肉が弱まり、外反母趾が悪化します。
運動不足
先ほども説明したように、外反母趾を起こさないためにはある程度の筋力が必要です。ところが現代の日本人は運動不足の方が非常に増えています。健康の指針の一つである「健康日本21」によると、成人男性9,200歩・女性8,300歩を1日の歩数目安にしていますが、2011年の歩数調査では1日の平均歩数が男性7,233歩・女性6,437歩しかありませんでした。これでは、足の骨格を保つための筋肉も落ちてしまい、外反母趾も悪化しやすくなってしまいます。
人間の健康な足裏には上図のようなアーチが存在します。A-Bの横アーチ、A-Cの内側縦アーチ、B-Cの外側縦アーチですね。これらアーチがしっかりできているうちは地面からの衝撃や体重による荷重から足を守ることができるのですが、足をしっかり使わずに筋力が落ちたりするとアーチが徐々に消えていってしまい、アーチが消えると負荷が偏って外反母趾が悪化します。するとさらにアーチが消えていく・・・という風に、負の連鎖が起こってしまうのです。
外反母趾を治すためには、足裏のバランスを整え、筋肉を鍛え、アーチを作ることが不可欠です。
治療(高周波+手技マッサージ+超音波+鍼灸+テーピング)+運動療法
治療法には手術療法と保存療法がありますが、ほとんどが保存療法です。
当院では高周波や超音波や鍼灸で患部の血流を改善して、手技マッサージとテーピングで足部横アーチを矯正・補強しています。また、靴選びも重要です。
※+運動療法として、椅子に腰掛けて、タオルのうえに足をのせて、タオルを踏んだ状態で、足の指でかき集めるタオルギャザリングがオススメです。
料金
※健康保険が使える場合もありますので、詳しくはお電話でスタッフにお尋ね下さい。
靴の指導
どんなにセルフケアを頑張っても、靴が足に合わず、指を圧迫したり足を痛めつけてしまうのでは全て水の泡です。自分の足に合った靴を選ぶ必要があります。